口に出したつもりなんかなかった。 出したとしてもつぶやく程度だった。 「そこで待ってて・・・」 だから─── 雛を、傷つけてしまったと、 苦しめてしまったと、 気付いた時には、もう遅くて。 手を離したのは、俺なのに。