雛の、真っ赤な顔をした雛の、その腕に。


思わず、手を伸ばしかけて───止めた。



頭の中で響いてる。








『お前に、雛を縛る覚悟があるはずないのにな』







俺には雛の翼を奪うことが出来ても、その後の、雛の泣き顔を見る勇気が、ない。




「───・・・ごめん、な」




俺が、意気地なしだから。