隣の君が遠い私

そして、前の席はすごく性格の悪い惣磨。
惣磨と班が一緒になったのが嫌で『サイヤク』と
声を漏らしてしまったのだ。
斜め前の席は、スポーツ男子系の拓弥。
この人は、前に私が告白したとき、ラブレターを
渡してくれた人。いや、むしろ渡しちゃった人。
やっぱ渡さないでって言ったのにわざと渡しちゃった
嫌なやつ。
こんな班でやっていけるのだろうか…

「さよなら」
あーやっと終わった。今から部活♪やったやった♪
と思いながら、部室の鍵を開ける。
「なんでそんなテンション高いの?」
軽蔑したような目でこちらを見ているこの子は、
中野七海。みんなから、『なかなな~』と呼ばれている。
クラスは違うけど、部活が一緒だから、とても仲がいい。
「えー?だって今日は部活やらず、帰るから~♪」
私がそういうと
「あーダンス?大変だね」
と返される。
「うん♪」
私は、6年前からダンスを習っている。今日もダンスのレッスンだ。
「バイバイ」
「うん、また明日~」

家に着いたら、すぐに準備をして、スタジオに向かう。
これが、水曜日の日課だった。
「おはようございます~」 
挨拶をする。ダンススタジオでは、昼間だろうが夜だろうが、
『おはようございます』
と言わなければならない。なんでだろ。と今更思いつつ、スタジオに入る。

「お疲れ様でした~」
そう言って蒸し暑いスタジオを出る。
「そういえばさ、好きな人できたの?」
友達が急に聞いてきたから、
「何?急に(笑)」
と返したら、
「いやー。なんで好きな人作らないのかなって思ったから」
「いい人が居ないから。」 
私は、適当に答えた。