――…素っ気ない文、その素っ気なさが彼らしいとも言えるけれど…―― ベラトリスは手紙をもう一度読み返しました。 『いつか君にみせたいな』 ――いつかとは いつでしょう? 彼がこの街を出てもう5回目の夏がきてしまった……いつまで待てば良いのかしら?…― 『いつか君にも……いつか……』 心に反響する言葉を振り切るように頭を左右に振って、続きの文字を目で追いました。