しばらく立ちつくしていましたがふいに目を開けました。
彼女は不思議に思ったのです。
なんと…嵐が吠えるやかましい音も、ものが落ちて砕ける音も聞こえません。
ふぅっ、と小さく息をつくとはっきりわかりました。
危険なのは家の中にいるからであって外にいれば大丈夫なのだと。
そして足を一歩踏み出し考えました。
「私、今まで一度も夜中に外へ出たことなんか無かったのね」
彼女はそのまま振りかえることもせず、全速力で浜辺へ降りていきます。
とにかくもっと家から離れるべきだと考えていたからです。
走る最中、恐怖も冷たさも感じません。
身体をうつ雨や風は心地よいのです。
彼女は大声で叫んでしまいたい気分でした。
もう、何を怯える必要があるでしょう!
ついに大きな災難は来てしまったのです!

