嵐の日から(短編)




――午前二時




嵐は唸り声をあげながらあらゆるものを吹き飛ばし、猛烈に暴れています。





窓ガラスが割れる大きな音でベラトリスは目を覚ましました。




小さなガラスの破片が床一面に飛散し、電灯は見るも無惨な姿です。





「あれは…夢…?」




毛布をかぶったまま上半身を起こすと時計は床に落ちて壊れていました。




寝ぼけた頭も今この状況を見れば危険のただ中にいることだけは、はっきりわかります。




そのとき彼女は割れた姿見のかけらの一つに自分の青ざめた顔を見つけました。








何か必要なものを探し出す余裕もなく、彼女は反射的に手紙を握りしめたまま外に飛び出しました。









―――…何処まで行けば大丈夫かしら?

とにかく早くこの家から離れないと!…―――








今の彼女にとって、この家はもはや安全な場所などではありません。