「アーリャ!
私は確かに貴女よりもうんと臆病な人間だわ。
でもだからわかるの、本当にもうじき嵐がくると…!
私が怯えているのは嵐が来て全てのものを脅かすことよ!
私も貴女も天災の前ではちっぽけな生き物ですもの…貴女にはわかってくれると思ったの」
アーリャはわらいました。
「油汚れの食器を洗うときはベーキングパウダーを使うと綺麗になるんですって!
ご存知?」
ベラトリスは頭に来ました。
ですが同じくらいアーリャもうんざりしていたのです。
こうして2人のお嬢様は決別してしまったのです。
ベラトリスはますます惨めで嫌な気分になりました。
レースのカーテンも茶器も家具もこの家のもの全てが煩わしいのです。
しかしこの小さな世界でしか、生きていくことができないことがわかっているからこそ余計に悔しいのです。
「何よ、アーリャはお茶とパーティーのことしか頭にないから他のことを考える余裕が無いのよ…。
あぁもぅ…!
友達と喧嘩するのがこんなにも惨めだなんて知らなかった…。
あれ程こわかったのにアーリャを失うのもなんて簡単なのよ…!」

