ベラトリスは過去にすがって生きてきた少女ですから、いつまでたってもくよくよして未来を見据えて生きることをしようとはしません。
アーリャにはそれが理解できないのです。
彼女の様子がもどかしく、なんとかしてやりたい、そう思っていました。
砂糖入れの中をクルクルかき混ぜながらベラトリスはイヴァンの顔を思い出していました。
だからでしょうか、つい心の中の呟きが口からこぼれてしまったのです。
「…ヴァーニャなら…なんて答えてくれるかしら…?」
「まぁ!」
アーリャは急に不機嫌になりました
ばつが悪そうな顔で黙ったベラトリスを見ると来なきゃ良かったと思いましたが、それでも気持ちを抑えて言いました。
「きっと素敵な答えが返ってくるわ。彼は貴女の一番の理解者でしょうからね」
「あの……お茶をもう一杯いかが?」
「いいえ、結構よ」
アーリャははっきり拒絶するように答えました。
「今日はお誘いくださってどうもありがとう。
とても楽しかったわ!
…ずいぶん短いお時間でしたけどね」
「…あら、そう」
アーリャが立ち上がっても、俯いたままベラトリスはアイスクリームをぐしゃぐしゃにかき回してしているだけでした。
あまりに惨めな気分です。
そして意を決したようにスプーンを菓子皿に突っ込むとドアを開ける直前だったアーリャを大声で呼び止めました。

