「行くぞ。」 今の言葉は私に向けられたものと理解するまで 時間がかかった。 「えっ、ちょっと!!待ちなさいよ!」 私の手首を掴み、そいつと私はその場をあとにした。 「もう。離してよ!」 私の声は無駄に広すぎる廊下にこだました。 「…。」 無言で私の手首をふっと離した。