年下彼女に負ける俺-1-

「なんで離れるの?」


「なんでって…」




聡ちゃんに掴まれた右腕が熱い。

もちろん、お風呂のお湯のせいなんだろうけど、でもそうじゃなくて…聡ちゃんに掴まれたからなんだと思う。





「ドキドキしてて恥ずかしいんだもん。なんか、悔しいんだよね。いつもは私の方が勝ってるのに。」


「そっか…」



聡ちゃんは嬉しそうで、そんな顔を見て私は彼の頬を触った。




「叩いて…ごめんね…?」


「別に痛くなかったし。」




嘘だ、と私は言い、聡ちゃんは嘘じゃないと言うので、二人で言い合った。


いつのまにか笑っていた。