「ご、ごめん。私やっぱり帰る。」


「ち、ちょっと待てよ。」



聡ちゃんが私の腕を掴む前に部屋を出た。






後ろを振り返ってはみたけど、聡ちゃんはいなかった。


暗い夜道の中、私はまだまだ子供だなということを、改めて感じながら歩いた。






夜に吹く夏の風が、妙に涼しく感じた日だった_。