「違う。寝転がれるかって聞いてんだ」

そっちかっ!!恥ずかし…

「あ、そっちも大丈夫…」

じゃないっ!!!

寝転がるときって腰使うんだね!!

はあ~
とあからさまな溜め息をついて、クリュさんが寝せてくれた。

恥ずかしすぎて死にそう。

「思い出した?」

私に掛け布団をかけてくれながらいきなり問われた。

掛け布団からは太陽の香りが、

クリュさんからはパチュリ系のシャンプーの香りが風に乗って、ふわっと鼻をかすめた。

「え?」

「俺の名前」

こんな掛け布団一枚じゃ寒いだろ、と布団に文句を言いながら背中をかいているクリュさんを、

布団の中からまっすぐ見つめ、私は言い放った。