「聞きたいことがあって…。クリュさんって、その…」

ラクリマがもごもごと話しだす。

深呼吸をしたりする姿を見ていると、その先を聞くのが怖くなった。

「…好きな人とかいますか」

……好きな人?

知らないよ!
クリュさんじゃないもん。

と、言いたいところだけど…。

「なんで?」

ステルラが優しく問う。

「え、なんでって…その……」

正面のラクリマの顔が紅潮していくのが分かる。

右隣のステルラの目が煌めいていくのが分かる。

「恋、したの?」

いつまでたっても答えないラクリマに、ステルラが尋ねる。

なにも言わずコクリと頷くラクリマ。

高い位置で結んだツインテールが揺れる。