これは…!
この人は…!!
「クロ?」
「ぅえ?」
じんじんと痛む顔面をさすりながら思い出した。
懐かしく輝かしい、あの日を。
降ってきたのはやっぱりクロだった。
クロはやっぱり腕で自分の体を支えながらゆっくり起き上がると、
やっぱり睫毛の長い目を瞬かせる。
そして、彼の視界には仰向けになった私がいる。
「懐かしいな、なんか」
クロの神秘的な表情に思わず見惚れていると、
クロはその表情を豪快に崩した。
「って、なんでここにセルがいるんだよ!!」
あ、それは驚くよね。
説明しようと私が口を開いた刹那、
クロが「やべっ」と言って、風のように私から離れて行く。
やばい?何が?