パクスの中のそれぞれに与えられた個室は、テラ・ドムスの自室に比べたら随分と狭いものの、生活するうえでは何の問題もなかった。

でも、昨夜は私の心境に問題があって、
心にもやもやを抱えたまま寝ようとした私はなかなか寝つけず、
窓から窺える空が少し明るみだしたときに睡魔がそのもやもやに打ち勝ち、ようやく私は眠りについた。

おかげで私はいつも以上に朝寝坊。

崩れた生活リズムに痛む頭を枕から上げるのさえ億劫だ、というような雑念を振り払うようにして予想以上に沈み込んだ体を起こす。

ずしりずしりと重たい足取りで頭を左右に振りながら力なく歩き、
みんなの声がする2Fフロアを目指す。

「あ、セル」