扉の向こうでは、クロとトランシーバー越しの誰かの話し声が聞こえる。
呼び戻されちゃうのかなあ…。
「そんじゃーね。今日はありがとう、セル」
あまりにも早すぎる三度目の別れの宣告に、覚悟はしていたものの、頭がついていかなかった。
「帰るのか」
「また会えるかなあ」
みんなはもうお見送りモードに切り替えが完了している。
私ってなんでいつもこう往生際が悪いんだろう。
まるで自分で海に放ったメッセージボトルが流れていくのを見て、
急にそのガラスの瓶をひきとめたくなる衝動に駆られてしまうような。
ポン──────
気づくと私の頭の上に乗っていた、手。
半端無いくらいの安心感。


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