マルス・ファミリアはテラ・ファミリア同様、配達を生業としている空族である。

しかし人員数はまるで違い、マルスのほうが圧倒的に大規模な組織だった。

その時、マルスの当主を務めていたクルシオは、マルスの母艦である、プローウォカティオに3人がかりで乗って、配達を請け負っていた。

プローウォカティオは大型艦で、テラの母艦パクスより若干小さめだが、ギリギリまで配達物を積めば、一度に大量の物の配達をこなすことができる。

できるだけたくさんの物を運ぶため、空を飛べる限度の重量まで配達物を積んでいた。

そこにまだ幼いとはいえ、私のような人間が1人でも配達に同行することは許されなかった。