「したさ。あれだけ派手に突っ込んだから、軽傷だとは誰も思ってないんだよ」

「軍に戻るのが嫌だったんだよ」

「成程な。そういう理由なら許す」

「あれ、大佐ともあろう御方が戦争嫌いですかあ?」

「当然だ」

…俺出ていったほうがいい?暇なんだけど。

いつ出ていこうか様子をみているうちに、大佐殿が俺に向き直り、すまないと言った。

「長居するつもりじゃなかったんだ、帰るぞ」

怪我人のかけていた布団をめくり、左腕を引っ張る。

「なんでー。皆に見送ってもらいたいのに」

「はあ!?何馴れ合ってるんだ。これ以上迷惑かけるわけにはいかないだろ」

何でこいつこんなに焦ってるんだ…?