「こういう晴れ渡った空みたいな色のことをいうんだろ?」

「そら…」

今の私の、超興味ある単語ベストワン。

「その特殊能力とかさ、セルの名前とかさ…」

彼はニカっと笑って歯を見せる。
「まるでセルを空にいざなっているとしか思えないよ」

「…行きたい……です」

私の、希望と不安がせめぎ合った決意の声を聞いて青年は勢いよく立ち上がる。

砂が私の目に入り、ちくりと痛む。

「じゃあそうと決まれば早速荷造りだな!!
今までお世話になった人たちにお別れもしておいで」

私には荷物もお世話になった人も無い。

「あ…それなら一応大丈夫なんですけど…」

青年の爽やかな笑顔が崩れる。