「じゃあ行くぞ鈴奈」

「えっやだ何どこ行くの……?」


 神崎クンに腕を引かれたのでビビって腰が引けた。
 私がそう言うと、神崎クンは驚いた様に目を見張った。


「パフェ食いに行くんだろ? お前それであんな頑張ってたんじゃねえのかよ」

「……あ、忘れてた! そうだパフェだやったぁ!」

「……変なヤツ」



 神崎クンが意味深に呟いた事は露知らず、私は元気良く生徒会室を飛び出した。


「……あ、神崎クンには一口もあげないからね!」

 私が振り返ってそう言うと、神崎クンは「いらねえよ」と、そう言って笑った。



 ……あ、今ちょっと、ドキッとし………、てない!!
 神崎クンの本当の笑顔にときめいたりなんかしてないからな!