私を見てクスクス笑う女子生徒。


 ぜぇーったいあの子だ……!
 だって教科書二冊持ってるし!! やるなら隠せよ!


「あーっと、ごめん、林君(隣の席の男子)、教科書見せ……」

「何? 仕方ないなあハニー、俺が見せてあげるよ」

「いや良いです遠慮します」



 私の発言など露知らず、神崎クンは通路を潰すように私と机をくっつけた。

 いやいやいや何やってんの神崎クン!

 一部の女子が私をキッとにらんだ。何で私を。


「どうしたー小鳥遊、教科書なら隣の席のやつに……」

「すみません先生、鈴奈がどうしても俺とシェアしたいっていうのでこの二人で見ます」

「お、おお……分かった」

「言ってません!!」

「何照れているの?」


 神崎クンはこちらを見てバレないようにニヤリと笑う。

 こ、こいつ……っ!