「春川さん、私用事が……っ!」


 女子の絶叫と羨望の瞳、男子の冷やかすような言葉と好奇の瞳。

 それらをまとめて捕まえた春川さんは、そのまま私が向かっていた方向とは逆に歩き始めた。



 「ちょっと、どこいくんですか?」

 「秘密」



 ていうか私絶対重いよね……!? お姫様抱っこって肩が崩れそうになるくらい辛くない?

 この前やってみたら死ぬほど辛かったんだけど。


 あーくれちゃんサラバ……。



「春川さん」

「…………」

「春川さん、私」

「そろそろ黙ってないとキスするからね」

「…………!」



 でも私お姫様抱っこで今スカートの中見えちゃいそうなんだけど……!
 どうにかしてよ!