〜Episode15〜
猟奇的かつ純真






 体育祭が終わり、期末テストが終わり、もうすぐ夏休みである。



 体育祭の日、奏君に告白されたあの後、どうしたのかというと。

まだ気持ちの整理がつかなくて返事に窮していると、奏君が「ごめん、忘れて」と残して去ってしまったのだ。

 いそいそと席に戻ればそこにいたのはいつも通り俺様傲慢性悪の奏君で、もう裏庭での面影はなくて。


 それからはもう、いつもの日常だ。

それこそ最初の様に私を無駄に陥れようなんて魂胆は感じなくなったけれど、私はすっかりあの五人に情を移してしまい、朝、授業中、お昼とたまに放課後。

私はあの五人と一緒に行動している。




 自分でも確かにおかしいと思う。
相変わらず女の子からの嫌がらせはだらだら続いてるし、奏君から私への復讐というのは、結果的に成功を収めてはいるのだろう。

 けれどあの五人といるのは、つまり単純に、みんなと打ち解けられた今、楽しくて心地が良いからなのだ。