五人の王子に仕えしは





柏崎君が私を立たせてくれて、また声を合わせて走り始めるが、もう一位のクラスとは大きな差が付いてしまっていた。

どうしよう、どうしよう、私のせいで……っ!


「おーっと、一位から一転、五位にまで落ちてしまいました、柏崎、小鳥遊選手! このままゴールとなってしまうのかーっ!?」


残念なアナウンスがかかり、ファンたちが「ああ、蓮様!」「蓮様、頑張って!」と黄色い声で応援するのが聞こえる。



そして、そこに混じって聞こえたのは。




「鈴奈、お前一位取んなかったらぶっ殺すからな!!」




それは、 紛れもなく奏君の声だった。
あの奏君が、珍しく声あげて、私の事応援してくれてる。ファンたちの黄色い声に圧倒されつつも、その声はちゃんと私の耳に届いた。


じわり、じわりと、また熱い気持ちが戻ってくる。


「鈴奈ー! 頑張れ、蓮も!! お前らならまだぜってーいけるから、一位取ってやれ!!」



この声は和真君。大きくても耳に馴染む声。それは彼の特徴だ。

柏崎君が、ゴクリと唾を呑んだのが分かった。

これはある種の合図だろう。



「……柏崎君、スピードあげよう!」
「とーぜん」


声援に押される様に私達はペースを上げる。

本来こんなにペースを上げたらお互いの歩が乱れるのは自然の摂理なワケだが、今日は私達、妙に気が合うから。
こんなの余裕!


一組、そして二組追い抜いて、残るはあと一組。あれを抜ければ、一位……!!


そして、ゴールは目前。