「位置について、よーい……ドン!」
ポップコーンが弾けるように、一斉に皆がスタートした。
私は右足、柏崎君は左足。
最初の一歩を踏み出して、二歩、三歩……これまでないくらい安定している。
スタートダッシュは焦らなくて良い。声出しが大事。安定さをキープ。歩幅は柏崎君に合わせ気味に。
いける。……いける!
柏崎君も声をだしてくれてるし、この気の合い具合にはびっくりだ。
本当に、できた。
柏崎君の言ってた通り、努力が自信に変わって、どんどんとスピードが上がる。
緊張なんてとうに消えていた。
そう思っていたのに。
「あっ……!!」
やばい。そう感じた時には既に、身体は前のめりになっていた。
ぐわんと身体が前に倒れる。
咄嗟に私を助けようとした柏崎君の努力も虚しく、私は思い切り転んでしまった。
「おい大丈夫か!?」
「な、なんでこんなでかい石!? なんでここにあるの、コースだよここ……!」
「チッ! クソ野郎、どうせお前のこと妬んでる奴がおいたんだろ」
「……酷い、流石に、酷いよこんなの……っ」
思わず涙が滲んだ。
走り出さなきゃいけないのに。
