「ぐっ……!」 和真がつかみかかったのだろうか。苦しそうな林の声が聞こえた。 風は強まり、砂が巻き上がり、前が見えない。 俺はただただ騎馬が倒れない様ふんばり、肩に感じる王将のせめぎ合いの有利を願うばかりだ。 周囲の応援の声がさらにさらに強くなる。そこに混じってはいるがはっきりと、「和真君、頑張って!!」なんていう鈴奈の声が聞こえた。 ……くそ、なんで俺の名前じゃねえんだ。