私が思わずぎゅっと目を閉じ身構えると、奏君の手の力が緩んだ。 来るであろう感触に耐えようと力を込めたが、来ない。 あれ、と思い薄く目を開けると同時に、奏君はやるせなくこてんと私の肩に頭を置いた。 え、え? 「……流石に泣かれたら困るっつの」 「え、泣いてなんか……、……あ、あれ?」 自由になった手で頬に触れれば指先には水滴がついた。 うわ、ほんとだ泣いてる。 え、なんでだろ……。 奏君は少し下がり、萎えたーとか言いながら近くのベンチに座った。 そしてこっちを向く。