「百合の季節にしては、少しだけ早くないですか?」 「ふふ、まあそうかもね。でも創意工夫をこらせば案外咲いてくれるよ」 そ、創意工夫って凄い。 私は、春川さんから目線を少し逸らし、愛しそうに見つめられている百合を見た。 「……綺麗ですね」 うん、本当に綺麗だ。 真っ白な花弁も、その中にある色付いた雄蕊も。 「……ありがとう」 春川さんは自分が言われたかのように嬉しそうに微笑んだ。