和真君は、驚いた顔のままもぐもぐとぎこちなく顎を動かした。



「どうかな?」

「っへ、う……っ」


 飲み込んだと思えば、和真君の顔はみるみるうちに赤くなった。

 きたよ、またよく分かんないタイミングの赤面。



「……鈴奈」

「え、何?」


 私が和真君から返事を聞く前に、奏君が私を呼んだ。


「俺にも」

「え?」

「俺にもくれ、それ」



 その顔はとてつもなく不機嫌だった。


「う、うん」