「杏里ーっ頼みがあるの」
「なになに~?お母さん」
始まりはこの一言でした。
まさかこんな結果にこんなことになるなんて思いもしなかったんです。
杏里・・・・一生の不覚です・・・。
「伶君の家庭教師してあげてくれない?」
・・・・・。
「・・・・えええええええええええええええ!?」
伶は今あたしの家の隣に住む中学3年の受験生。
サッカー部のエースで背も高くてあたしなんかより全然男っぽい。
あたしからしてみてもイケメン・・・・すぎるかも・・・・。
話したのなんてあんまりないし、むっむ・・・・りだ・・・あ。
伶に比べたらあたしなんて背も低いし童顔だしキレイじゃない。
勉強は人並みにはできるとは思ってるけど・・・。
「無理・・・だ・・・よう・・・」
「杏里なら大丈夫だよ、さっ、やっておいで」
「えええええ!?今からあああ!?ちょ、ま、無理無理無理いい」
お母さん・・・心の準備があああああああああああああ!!!!
「伶君にも了承とってあるからさ、向こうのお母さんがいってきたのよ?」
「え・・・なにごとですか・・・・」
見ず知らず?のあたしを・・・なんで・・・・。
「小さいころよくあそんだじゃないっ!ね、行ってらっしゃいよ」
「むううううううううううううううううりいいいいいいいい」
遊んだけれども!遊びましたけれど!だけどだけど!これは!
無理いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
「お母さん、眠気が襲ってきたからむり」
「はぁ・・・とにかくいきなさい、」
ということで眠気を我慢しながらの隣の豪邸へ。
「わぁ・・・いつみてもでっかいなあ」
何坪あるんだろう。あたしの家とは違ってデッカイ。
なんかの社長さんだっけ。伶の家・・・忘れちゃったな~
ピーンポーン・・・。
これが悪夢の始めりでした。

