想い出




二人が教室に戻ると

みんなが私たちに注目した


え?と思い滝川をみると
みんなにむかってVサイン


「おめでとー」
あちらこちらから声がとびかった


「お前ーみんなの前で宣言して
ふられたらどーしてたんだよっ」

「いやー美月は俺に惚れてたよ」


「ぷっ」


嬉しくて恥ずかしくて横にいる滝川が
なんとも言えなかった


「美月ーなーに笑ってんだよー」

「だって自意識過剰っ」

「なんだとー美月ー」


滝川が私の髪をぐしゃぐしゃにした


「やめてよー」私の声と同時にみんなが
「ラブんなよー」

もうとても幸せだった


滝川を好きになったばかりだと

いや、好きかもわかんなかった私が


横にいる彼がとてつもなく
愛しく感じている


もしかしたら素直にならなかっただけで
ずっと好きだったのかもしれない


恋ってすごいんだね