店内のBGMが、相変わらず静かに流れていた。


「自信を持って下さい。」


五十嵐さんの返答に眉をしかめる。
失礼は承知ながらも、ありきたりな答えだと思った。


「一体、何に自信を持てと?こんな私なのに。」


五十嵐さんは優しく笑うと、しっかりと、落ち着いた声で答えた。


「貴女の結婚に対する決意に、です。自分自身が決めた事に誇りを持って下さい。」


「けど、その決意は間違っていたのかもしれない…!」


無意識に声を荒げてしまったことに気付き、顔を下に向けた。