「琴美ちゃん、どうしたの?」
「すみません。ちょっと相談がありまして」
「そうなんだ。こちらへどうぞ」片山は琴美を奥の部屋へ案内した。
「失礼します」
「何か問題があったりした?」片山は琴美の顔を覗き込みながら言った。
「今のクラスについてなんですが、曜日を変えることはできますか?大学の授業の都合で時間が会わなくなってしまったんです」
「あれぇ?琴美ちゃんも?実は佐藤くんも就活で忙しくなるから辞めるって電話があったの。琴美ちゃんはいつから変更したいの?佐藤君はもう来れないから先週で終了。残念だけど仕方ないよね」
「佐藤さんもでしたか・・・。就活始まってるって言ってましたね。私は来月から変更させていただきたいのですが」佐藤は辞めてしまった。本当に就活が理由で辞めたのだろうか。それとも気まずいからか。琴美は後者のような気がして、自己嫌悪に陥った。自分が別れ話を切り出したがために佐藤を苦しませてしまった。しかし、もうどうすることもできない。
 

 いつか謝らなければ、琴美はそう思った。