食べ終わり、外へ出た。ゆっくりと歩き始めると、佐藤は琴美の手を取り、自分のポケットに入れた。 「ありがとう。あったかい」 「でしょう。カラオケでも行こうか」 「そうだね」 二人は初めて手をつないだ。琴美は、食事や映画の話の時に感じた不満をすっかり忘れ、幸せな気分だった。