ツイテル恋、ツイテナイ恋☆

 食べ終わり、外へ出た。ゆっくりと歩き始めると、佐藤は琴美の手を取り、自分のポケットに入れた。
「ありがとう。あったかい」
「でしょう。カラオケでも行こうか」
「そうだね」
 二人は初めて手をつないだ。琴美は、食事や映画の話の時に感じた不満をすっかり忘れ、幸せな気分だった。