“霧が出ているときは門の外に出てはいけない。”



これは俺の村長の長蛇さんの決めた村の掟である。

そして、俺は明日狩人の1人となる・・・。
名前は竜人【りゅうと】


「俺らも明日から狩人だな!」
俺の隣で笑いながら話しかけてくるこいつは


夢人【ゆめと】
俺の幼なじみであり、同居人。

「ああ、そうだな。でも俺は狩りなんか嫌いだな。」
と、答えた。


何故同居人なのかという理由。

それは、幼い時に俺の父さんが病死してしまい、

父さんと仲のよかった夢人の父さんが

俺を家に一緒に住まわしてくれているから。



この村は16才になると男を皆狩人にする習わしがあって、
俺は明日16才になる。


60才になると狩人達は狩りをしなくても
ご飯などが供給される。


「何でそういう事いうのさ!?普通は喜ぶ所じゃない?」
僕の言った事が気に入らなかったらしく、俺にむかって夢人は言い返す。


「俺、殺すのとか好きじゃないし、働くの嫌いだし、幻獣だって何時出るか分かんないし。」
俺は夢人に言う。


すると、夢人は少しにやついた表情を見せて俺に言った。
「もしかして、お前怖いのか~??」
まるで、俺をからかうかのように夢人は言う。


「違う!怖いとか怖くないとかそう言うのじゃなくて・・・。」
俺が途中まで言いかけると、急に心臓が




《ドクン》
と強く鼓動を打った。


(何か嫌な予感がする・・・。)
そう思っていた矢先に村と森を分けている門の扉が開いた。









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