3 邂逅の瞬間は早速、次の日の朝にやってきた。 廊下に小さな人だかりができている。 縦にも横にも小柄な鳴海だが、通れる隙間はない。 だが、そんな時に堂々と声を上げられるほど度胸もなかった。 「あのぅ……ちょっと、すいません」 近くにいる人にだけ少し避けてもらおうと、思わず日本語で、小さく声をかけた時だった。