(里さん、) 鳴海は、少しだけ顔を近付けた。 触れはしない。 そこまではできない。 でも、せめてこれくらいは、許してほしい。 鳴海は、小さく口を開いた。 ――「すきです」 囁くように言ってから、急にものすごく恥ずかしくなってきて、鳴海は急いで立ち上がった。 眠っている里吉にしか、素直になれない自分が、情けな――くなる、はずだった。 しかし。