最近、鳴海の様子が変だ。 なんて、里吉はちっとも思っていなかった。 鳴海が変なのは、最初からだ。 自分のことを知っても少ししか驚かなかったし、ほとんど動揺しなかったし。 女らしさの欠片のないとはいえ年頃の女と、女みたいな顔をしているとはいえ年頃の男が、一つ屋根の下で暮らしている、暮らせているということが、まず色々と可笑しい。 しかし、鳴海の様子が変なのはいつものことだが、鳴海の変化に気づかないほど、里吉も鈍くはないつもりだ。