唇を尖らせた鳴海を見て、カレンがにやりと笑った。 「ナルミ、シズミのこと好きでしょ」 「え? や、なに……いや、あの、好きですよ?」 「人の話を聞きなさいよ。『好き』じゃなくて、『好き』」 文字にすれば同じ意味の二つの単語を、ナルミに聞かせるようにゆっくりと発音する。 日本語で言うそれより英語の方がずいぶん情熱的な気がして、鳴海は首まで真っ赤に染めた。 「なななななにを」 「かわいいわねぇ、子供みたい」 「う」