少し意外だという顔で彼女は私に問いかけを続ける。




「ねぇ、響花、郁とのデートどうだったの?」




「え?今さら?」




今まで我知らん顔をしていたのに?





「どうせ無理かと思ってたから聞かなかったけど、今はすっごく気になるわ」




イマイチ雪音が何を考えているのか分からないけれど、どうせ聞いても上手くあしらわれるだけだと知っているので雪音の発言はスルーしておく。

だから、自分が1番印象的だった事を述べる事にした。





「郁がとっても楽しそうにするからかなりモテてた」




「は?」




「見慣れているはずの私でもドキドキするぐらいカッコ良い私服姿だったし、笑顔はその服のせいか何割増しに見えたし…だから、凄く注目浴びてた。楽しかったけど…それだけが難点だった…」




ファンの人達に言わせれば、郁とデートするだけ贅沢だって言われそうだけど…

綺麗で可愛い子なら良いかもしれないけど…自分に自信が無い私はキツかった。

きっと郁の本命彼女になる人は大変だろうなぁ…




「成る程。アイツ、張り切ったわけね…」






張り切る…?