「……何であんた達はそうなるのよ?」




あれから私は校門傍のベンチで雪音に今までの経緯を話していた。




「……私、郁に嫌われた…」




後から考えてみれば、一方的に想いをぶつけただけで郁の話を聞く事もなく逃げてきてしまった…


でも、コレで良かったのかもしれない。

郁は私から解放されたんだから、これからはこんな奴の事なんか気にせず自由に生きてくれれば良いんだ。




「はぁ――…
せっかく2人にして任せようって思ってたのに…」




そう言えば最近は雪音とあまり話さなかったな…

日が経ってるのにデートのことも報告してないし。


雪音は雪音で私達を信頼してくれていたんだろう。




「私、どうしたらいいんだろう…?」




私と居ても郁にとっては辛い事だって分かってるのに。

一緒に居るだなんておこがましい事言っちゃいけないのに。

自分であれだけ啖呵を切ったくせに。



雪音には何故か自分の汚い気持ちも隠せない。いや、隠し切れない。




「――――私、本当は郁と離れたくない…」




震える声で、そう告げた。




「あら?もしかしてちょっと変わった?」