雪音とは家が近所で同じ高校にまで進学した幼稚園児からの幼なじみ兼親友だ。


こういう関係を世間ではどちらで呼ぶのだろう?


やっぱり幼なじみと言うだけで足りると思われるかもしれないけど、私の中では郁同様雪音の存在はとても大きい人なのだ。


幼なじみとは昔から遊んでいた人の事。
親友とは信頼できる人の事。

―――辞書にはそう書いてあった。雪音は私にとってどちらも当てはまる。


だからいつも私は雪音の事を誰かに紹介する時、幼なじみ兼親友だと紹介する。

雪音に言わせたら回りくどいって以前片づけられたけど、嫌そうではなかったので私はその事が嬉しかった。


郁も家が近いけど、私が小学3年生の時に引っ越してきたので、雪音ほど付き合いは長くない。だけど、周りから言わせれば充分に長いらしい。確かに小学校から高校までずっと一緒って言うのも凄い縁かもしれない。

それで私と雪音はいつも羨ましがられた。…まぁ、理由は……至って単純で。世の中共通って事です。





「郁―――っ!
響花が郁に相談があるかんだって!聞いてあげてよ!」




教室から食堂までの道中にそんな事を考えていると、雪音が勝手にとんでもない発言をしていた。



ちょっ…雪音!?
そんな大きな声で…

……ほら、郁を囲んでる女子達が一斉にこちらを見てるじゃん…


あぁ…悪い方向で目立ってるよ、私達…