恋の施し



「え?俺の家に薬なんてあった?」




「ここに来る途中に買っておいた」




良かった…もしものために買っておいて。

いや、使わなければ自分の家でも使えるし。
家の人に渡せれば良いかなぐらいの気持ちだったのだけれど…

まさか自分で直接この薬を渡す事になるとは思っていなかった。




私がそう言うと相田君はニコッと笑って




「ありがとう。

ねぇ、望月さん。この薬よりももっと良い薬くれる?」




「あ、ごめんなさい。
私、この薬が一番効くと思って…」




「ごめん、言い方が悪かったね。そういうことじゃないんだ」




「?」




どういうこと?