「相田君!フラフラ!部屋はどこ!?支えるよ!」
いつもの自分ならこんな大胆なこと言えただろうか?
もしかしたら雪音のアドバイスと郁のシュミレーションのおかげかもしれない。
彼の状態を見て私は家の人の事など、頭からすっかり忘れ、気付けばそんな事を口走っていた。
「……二階の右奥」
小さな声で相田君は答えた。
いつもからは想像もできないほど彼は弱っていた。
相田君の身体はカイロみたいに熱くて、私は何とか彼をベッドに寝かせ、プリントを側の机の上に置いた。
よく見ると相田君は寝ているだけだった。
ベッドのそばに水もタオルも氷枕さえもなかった。
雪音の言う通り、家には相田君以外誰もいないみたいだし、冷やしたり汗を拭いたりしている様子もない。
うーん…
こうなったら…
私は思い切って行動することにした。


