「じゃあ、響花頑張って。
響花はなんか誤解してるみたいだけど、私は真っ直ぐ帰るから1人でプリント行ってきてね。
はい、これプリント。渡しとくね」
「ぅえ!?ちょ…え!?1人なの!?」
私の叫びも虚しく、そう言って雪音は本当に帰って行ってしまった。
そ、そんな…私の計画が…
あーでも、雪音はめちゃくちゃ協力してくれたんだもんなぁ…
やっぱりそこまであてにしたらダメだよね…
お礼…言いそびれちゃったなぁ…
そんな事を考えていると郁がふと提案してくれた。
「俺が付いて行ってやろうか?」
だけど、郁を連れていくとなんだか誤解されてしまいそうだし、それにそこまで付き合ってもらうのは悪い。私はいいと言う意味を込めて首を横に振った。
郁にはいつも世話になりっぱなしで甘えてばかりだから。
ただでさえ、協力してもらっているんだ。コレ以上は望めない。
「そうか。
じゃあ、俺からも1つ」
一瞬、郁は悲しそうな顔をした後、またいつもの笑顔で私の頭にポンと手を置いた。
何だろ?って思った瞬間身体が温かいものに包まれた。
――――私は郁に抱きしめられていた。


