だけど、雪音は首を振ってそれは言い訳にすらなっていないと言った。
そして、「だって」と彼女は俺の目を見て微笑みながら続ける。
「私達の関係はそんなに薄いものじゃないでしょ?」
―――…それはどんな言葉よりも、一番胸に響く言葉だった。
「そうだと思うから私は郁に自分の気持ちを伝えた。
それに…自分の気持ちを隠すなんて嫌だし、きっと鋭い郁には気付かれちゃうから。
でも、私は郁に気持ちを伝えてしまったから、明日から郁は私と話してくれないの?」
「そんなことない。絶対に、ない」
「じゃあ郁は、響花に伝えるよね?」
さすが雪音だ。俺のずっと悩んでいた事をいとも簡単に打ち砕いてしまう。
そして雪音はいつも俺の背中を押してくれる。
いや、俺だけじゃない。響花にもだ。
雪音は、自分の大事な人のためならその人のために自分の精一杯を捧げてしまう献身的な人だ。
口調は高圧的で誤解されやすいが、本当は誰よりも優しい心を持っている素敵な人だ。
だから、いつも雪音はより多く損をしてしまう人でもある。


