恋の施し




中学の響花の告白事件を知らされた時、何度響花への気持ちを諦めようとしたか。


何度、響花以外の女を好きになろうとしたか。




――…でも、その気持ちを上書きするのには、響花とあまりにも長い時間を過ごしすぎた。





響花への気持ちを自覚した時、俺はまだ小学生だった。



しかしヘタレな俺は、響花と雪音との関係が崩れてしまうことを恐れ、俺はその気持ちを言えずにいた。




そんな、ある日のことだった。




「郁、ちょっと2人だけでしたい話があるの」




雪音が俺にこんなことを言うのは、これが最初で最後だったかもしれない。




「何?」




いつも遊ぶ公園のベンチに腰掛け、尋ねる。
響花はいない。多分今頃は家でおやつを食べているころだろう。




「私、郁が好き。特別な意味で好き」




俺は雪音から告白を受けた。