「雪音、お前は一体どっちの味方なんだ?」
そう言ってどこから聞いてたのかいきなり現れてきた郁。
少し驚いたけど、その前に私にさりげなく腰に手を回さないで欲しい。
ここは廊下でこの時間帯は人気がない所だけれど、いつ誰が通るか分からない。
もしそれが郁のファンの人とかだったら…考えただけでゾッとする。
私は郁にされたように彼のスキンシップをさりげなく払いのけた。
この行為は今に始まった事じゃないのでもう慣れた。
「…郁を応援したいのは山々なんだけどね。
私は、ほら響花の味方だから」
雪音も見慣れた光景なのでスキンシップにはもうツッコまない。呆れた顔でこちらを見るだけだ。
「はぁ――…
……もっと頑張らねーとな…俺」
何故かため息を吐く郁。
「自業自得ね」
―――そう言えば最近、2人の会話がついていけないときが増えた。


