恋の施し



「私、郁のために毎日何か美味しいもの持ってくるね」



「いらねー
つか、マジでうざいから帰れ」




お前のなんか食いたくねーんだよ。




「郁はどんな味が好きなの?甘いの?酸っぱいの?」




…全く話が通じねー





「俺のためを思うなら、即刻ここから出て行け。
良いか、コレが最後の警告だ。コレ以上居座りやがったら俺の中でお前の存在を抹消してやる」



「…分かったよ。
郁がそんな態度を取るのも今だけだからね。何か貴重。

じゃあ、また明日」




何なんだ、コイツは。
転校してきて、偶々席が隣で、クラスに馴染めてなさそうだったからちょっと声を掛けただけなのに。


何でここまでされなくちゃならねぇんだ?




「ねぇ、郁」




扉の前でアイツがそうだ、と思い出した様に立ち止まる。



…さっさと帰れよ。


最終警告の意味、分かってねーだろ。