…私は郁のそんな顔が見たかったわけじゃないのに…
本当に私ってつくづく“ズルい”位置にいたんだなぁ…
そりゃあ周りの女子から羨まれても仕方がないか…
今にしてあの、女子からの羨望や嫉妬の眼差しの意味が理解できたよ。
「……ちょっと響花来なさい」
昼休み。
私はいきなりというか見計らったように雪音に中庭へ連行されてしまった。
昼休みまでの休み時間で雪音からの不穏な気配は感じていた。だけど、気付かないふりをしていた。何となく、雪音の話したい事は分かっていたし…というかそれしかないし…それに、休み時間の長い昼休みに言われるんじゃないかとは思ってたから。
「…言いたいことは分かってるよね?」
「……はい。郁のことでしょうか?」
「よろしい。……で?」
「…で、と言いますと?」
雪音が恐い。本当に恐い。そこらのホラー映画より恐い。


